7日
三島由紀夫の小説を、
山手線のラッシュの中、
わずかなスペースで読みたい願望を抱きつつも、
その本持つ手さえも、ラッシュには凶器に等しかろうなど、
余計な気をもみ断念する。
だけども、ラッシュ内、他の人が操作する携帯電話は、
次から次へと、自分の背中、耳の横、目の前に、
当たり前のように、密着してくる。
花火に飛び込む虫の勢いの如く、
他者の携帯電話が次から次へと、身体にぶつかる様よ、
この瞬間、一気に、電波など届かなくなればいいのに、
などと、思ってしまうのが本音だ。
本日は、会議づくしの日で、ぐったりするも、
糖分とって、耐える、耐えるのだ。
「死神」という落語の演目を、
たまに、むしょうに、聴きたくなる。
暗い部屋で、独りで聴いてると、
ゆらゆら揺れるろうそくの幻影が、
目の前に本当に見えそでね、いいよ、とても。
きっと、バースデーケーキの上のろうそくや、
SMに使用するろうそく以上に、
この「死神」にでてくる、ろうそくの灯りは、
ゆうらゆうら、はかなく、魅力的だ。
と、勿論、全部、妄想であるが。